コンタクトの商品説明でよく目にする専門用語に、「酸素透過率」と「含水率」があります。混同されやすい用語ですが、正しく理解すれば、自分にぴったりのコンタクトを見つけやすくなります。
今回は酸素透過率と含水率について、違いを含めて解説します。目に合った最適な酸素透過率、含水率を選ぶコツもまとめました。
「安心して使えるコンタクトがどれか分からない」
「今のコンタクトが目に合わない気がする…」
そんなお悩みを持つ方は、ぜひご一読ください。
目次
酸素透過率は、レンズ中を通る酸素量の割合を示しています。
コンタクトをつけていると、裸眼の時よりも目に酸素が触れにくくなります。裸眼の時に比べて目にどれくらい酸素が届くのか、ユーザーが知るための指標の1つになるデータが酸素透過率です。
各コンタクトの公式商品ページには、酸素透過率の具体的な数値が「Dk/L」の単位を用いて記載されています。数値が大きいほど、レンズ中を多くの酸素が通ることを意味します。
具体的な数値で示す他に、酸素透過率が高い、または低いと表現されることもあります。
コンタクトの酸素透過率は、高いほうがよいと言われています。
人の目が健康を保つためには、涙に溶け込んだ酸素が不可欠です。目に届く酸素の量が少ないと、目に負担がかかり、トラブルのリスクが高まってしまいます。
目が健康な状態を保つために、コンタクトの酸素透過率はとても大切です。疲れ目や充血にも悩まされにくくなります。
一般的に、酸素透過率が80Dk/L以上のコンタクトならば、裸眼時を100%とした時と比較して、約97%もの酸素が目に届くと言われています。
酸素透過率が高いコンタクトには、ほとんどデメリットがありません。コンタクトを買う時は、できるだけ高酸素透過率の商品を選びましょう。
酸素透過率が高いコンタクトの数少ないデメリット、その1つが「値段が高い商品が多い」ことです。
近年のコンタクトは、特別な素材を使うことで酸素透過率を高めています。値段も高く設定されているケースが大半です。相対的に、酸素透過率が低いコンタクトは安く、手に入りやすいです。
酸素透過率は、24.1Dk/L以上なら安全と言われています。コンタクトを購入する時は、酸素透過率24.1Dk/L以上の予算に合った商品を選ぶのがコツです。
含水率は、レンズ中に含まれる水分量の割合を示しています。
ソフトコンタクトは、プラスチック素材に水分を含ませることで作られています。素材に対してどれくらいの水分が含まれているのか、ユーザーが知るための指標になるデータが含水率です。
酸素透過率と同様、各コンタクトの公式商品ページには含水率の具体的な数値が、「%」の単位を用いて記載されています。数値が大きいほど水分量が多く、小さいほど水分量が低いことを意味します。
含水率が高い、または低いと表現されることもあります。一般的に、含水率50%以上のコンタクトは含水率が高い、50%未満のコンタクトは含水率が低いと言われます。
水分量が多いレンズはみずみずしく、やわらかいので、つけ心地に優れています。コンタクトをつけている感じが少ないので、コンタクト初心者に好まれます。
含水率が高いコンタクトは、レンズが多くの水分を必要とします。レンズが乾いた時に、足りない水分を目から奪ってしまうため、目の乾燥を感じやすいです。
含水率が低いコンタクトは、レンズが必要とする水分量が少なめです。目から水分(涙)を奪いにくいので、乾燥を感じにくいと言えます。軽度のドライアイの方など、目の乾燥に悩まされやすい方には、含水率の低いコンタクトが向いています。
含水率が高いコンタクトに比べると、つけ心地は硬めです。ハードコンタクトほどの硬さではなく、痛みを感じることもありませんが、コンタクトに慣れていない方は違和感を覚えるかもしれません。
含水率は酸素透過率のように、「高いほうがよい」とは言い切れません。あまりに含水率が高いと目が乾きやすくなります。場合によっては、ドライアイを発症しやすくなるとも言われています。
含水率は、目の状態やライフスタイルに合わせて選ぶのがコツです。
例えば、頻繁に目薬をさして目に水分を補充できる方なら、高含水率のコンタクトでもドライアイを心配することなく使えます。
反対に、目が乾燥しやすい方や、なかなか目薬をさせない方は、涙が奪われにくい低含水率のコンタクトがオススメです。
コンタクトの酸素透過率は、基本的には含水率に比例しています。含水率が高いコンタクトほど酸素透過率も高くなり、目にかかる負担が減ります。
ソフトコンタクトは、水分を介して目に酸素を届ける仕組みになっています。レンズ中に含まれる水分量が多いほど運ばれる酸素量も増えるため、従来のコンタクトは酸素透過率の高さと含水率の低さを両立することが困難でした。
近年は、新素材の「シリコーンハイドロゲル」を使ったコンタクトが作られるようになっています。
シリコーンハイドロゲルは、酸素を通しやすい性質を持つ素材です。少ない水分量で、酸素透過率を高められることから、高酸素透過率と低含水率を両立することが可能になりました。含水率が低くても目に充分な量の酸素が届き、乾燥にも悩まされにくくなります。
「目の疲れは気になるけど、目が乾燥するのも嫌」
「ドライアイ気味で含水率が高いコンタクトを使えないから、目の健康が心配」
そんなユーザーのニーズに応える商品です。
シリコーンハイドロゲルのコンタクトの場合、含水率が低い商品のほうが、快適に使いやすいと言えるでしょう。
まとめると、酸素透過率は「目への負担」に、含水率は「目の乾燥」に関係する専門用語です。目の健康を考えた時に大事になるのは、どちらかというと酸素透過率です。含水率は、基本的にはコンタクトのつけ心地を左右します。
ただし、含水率が高いコンタクトは、使い方によってはドライアイのリスクを高めてしまいます。含水率も、目の健康に関系する大事なデータと言えるでしょう。
目の健康を守るために、コンタクトの酸素透過率と含水率は、目に合った最適な値で選びましょう。