冬の寒さが和らぎ、ぽかぽかと過ごしやすい日が続く春。お花見やピクニック、卒業旅行など楽しいイベントが数多く控えている季節ですね。
しかし、同時に春は花粉症に悩まされる季節でもあります。
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花粉症による目のかゆみなどの原因について、厚労省のサイトでは以下のように示しています。
花粉は結膜でもアレルギー反応を起こしますが、まぶたの結膜で、より反応が生じやすくなっています。ここにはアレルギーの原因の細胞をはじめとする多くの細胞がやってきます。結膜表面を被う涙液で、表面の花粉から抗原(Cry j 1、Cry j 2)が溶け出します。これにより結膜での初めのアレルギー反応が鼻と同じように生じ、目のかゆみ、なみだ目を引き起こします。
厚生労働省「的確な花粉症の 治療のために(第2版)」より引用
結膜とは、まぶたの裏側や眼球を含む、目の粘膜をさします。つまり花粉症による目のかゆみや充血などは、 花粉が目の粘膜の神経を刺激することにより引き起こされるのです。
花粉が多い時期は、コンタクトレンズよりメガネを使用する方がおすすめです。
その理由は、メガネのレンズが飛んでくる花粉から目を守ってくれるから。コンタクトレンズは目に密着するものなので、ほとんど裸眼と同じように、花粉による影響を受けてしまいます。
仕事上メガネが使えないなど、花粉の多い時期でもコンタクトレンズを使いたい場合は「汚れのつきにくいレンズ」や「ワンデータイプのレンズ」を使うのがおすすめです。
身に着けている服に花粉がつくように、装用しているコンタクトレンズの表面にも花粉がつきます。
花粉を含む汚れがつきにくいレンズや、衛生的なワンデータイプのレンズを使用することにより、花粉による粘膜への刺激を最小限に抑えることができます。
ここからは、花粉症の方におすすめしたい「花粉などの汚れがつきにくい商品」を紹介します。今回紹介するものはすべて、毎日清潔に使えるワンデータイプです。
多くのコンタクトユーザーが愛用しているジョンソン・エンド・ジョンソン社のアキュビューシリーズ。その1つがワンデー アキュビュー オアシスです。
ワンデー アキュビュー オアシスのレンズは、シリコーンハイドロゲル素材で作られています。花粉のようなたんぱく質汚れに強いため、花粉症の方も使いやすい商品です。
低含水レンズであることから乾燥を感じにくい点も特徴です。さらに、エッジがなめらかなレンズデザインであるため、目への刺激が少なく装用時の違和感がほとんど生じません。
創業から70年以上の歴史を持つ海外メーカーのアルコンが販売している商品です。
デイリーズ アクア コンフォートプラスの非イオン性レンズには、汚れを寄せ付けにくいという性質があります。花粉も寄せ付けないため、花粉症シーズンにぴったりです。
デイリーズ アクア コンフォートプラスは、うるおい感が強い点も特徴です。みずみずしい装用感が好みの方にはこちらの商品をおすすめします。
デイリーズ アクア コンフォートプラスと同様、アルコン社が製造と販売をしている商品です。「生感覚レンズ」の呼び名で知られています。
デイリーズ トータル ワンは汚れがつきにくい非イオンレンズで、花粉の多い時期も刺激を感じにくいなめらかなつけ心地が特徴です。
角膜に触れる中心部と表面でレンズに含まれる水分量が異なり、目にたっぷり酸素が行きわたります。花粉症による目の充血が気になるという方におすすめです。
日本ユーザーも多い海外メーカーのクーパービジョンが販売している商品です。
プロクリア ワンデーには、フォスフォリルコリン(PC)という成分がレンズ表面の水分と結合し、うるおい性を保持する「PCテクノロジー」という技術が用いられています。
このPCテクノロジーによりレンズ表面に花粉がつきにくいため、症状を緩和することができます。
PCテクノロジーは、レンズの保水性を向上させます。1日中装用してもレンズが水分を失わず、常にうるおいを感じられる商品です。
アメリカに本社を置く多国籍企業ボシュロムが販売しているメダリストブランドの1商品です。
メダリスト ワンデープラスは、快適な装用感を追求する「コンフォート モイスト テクノロジー」の一環で、レンズが非イオン性となっています。デイリーズ アクア コンフォートプラスと同じく花粉汚れを寄せ付けない商品です。
メダリスト ワンデープラスは非球面レンズデザインを採用しています。夜間に起こりやすい視界のぼやけが生じにくく、常に鮮やかな視界です。
上記でご紹介したような、汚れに強いワンデータイプのコンタクトレンズを使っても「やっぱり花粉症の症状が辛い」という方もいますよね。
そのような方のために、コンタクトレンズを使いながらできる花粉症対策をいくつかご紹介します。
花粉を防ぐためには、度なしの「伊達メガネ」も有効です。花粉症の症状がありながらもコンタクトレンズを使いたいという方は、外にいる間だけでも伊達メガネを使用すると良いですよ。
目に優しい「人工涙液タイプ」の目薬をさして、レンズの表面についた花粉を洗い流すことも、花粉症対策として有効です。人工涙液は涙に近い成分なので、続けて使っても目に負担をかけません。
花粉症で目がかゆい時は、つい目を水で洗いたくなってしまいますよね。しかしながら、コンタクトレンズをつけたまま直接水で目を洗うことはできないので、ご注意を。
市販のアレルギー用点眼薬は、花粉などのアレルギー性物質による粘膜の炎症を抑えてくれます。
ただし、コンタクトレンズをつけたままは使用できないものがほとんどです。アレルギー用点眼薬を使用する際は、一度コンタクトレンズを外し、点眼後5~10分ほどしてから改めて装着しましょう。
花粉症の症状の表れ方は、人によって異なります。症状が重いまま無理にコンタクトレンズを使い続けてしまうと、目の粘膜が炎症を起こし、眼病などのトラブルにつながることも。
「花粉症は体質だから」と思わず、症状が重い場合はコンタクトレンズの使用をいったんお休みし、眼科や耳鼻咽喉科などを受診しましょう。
楽しいイベントが満載の春。色々なことを思いきり楽しむためにも、花粉症に悩まされたくはありませんよね。
花粉症の症状は、コンタクトレンズの種類を変えるだけでもかなり和らぐ場合が多いです。
花粉に負けないコンタクトレンズや伊達メガネ、目薬を使うなどしっかりと対策をして、大切な目を守りながら、素敵な春をお過ごしくださいね。